前回の続き
なぜ、UMPCなのか。
まだお金を自由に使えなかった学生の頃、憧れていたPCがある。それはSONYのVAIO Type Pだ。
薄くておしゃれ。ジーンズのポケットに入れることだってできる(完全にではないが)。スペックは当時としてもあまり十分なものではなかったけれどそのスタイリッシュさとコンパクトさが相まって話題になっていた。

PCゲームをできるほどのスペックもない。画面だって小さいし使い勝手がいいわけでもない。それでも小型の端末を持ち歩いてどこでもブラウジングができたり仕事ができたりするのってなんかかっこいいな、そんな風に思っていた。
やっぱりこういったモバイル需要というのはロマンが第一で実用性はだいぶ後回しになる。これを使うとなんだかとってもかっこいいことになるのでは?というイメージを膨らませてわくわくする瞬間が一番楽しいといっても過言ではない。当時の自分もロマンを感じてわくわくしつつ、実際に店頭で実機を触ったりはしたものの買うことはなくそのまま年月が過ぎ、時代はスマホ、タブレットが主役となりノートPCも軽量化が進んでいくなかでUMPCというキーワードは過去のものになっていると思っていた。
しかし、UMPCはなくなっていはいなかった。たまたまYoutubeを見ていて目に飛び込んできたのはGPDのPocketシリーズ。そして昨年発売されたmicroPC2だ。このあたりの動きは全く追っていなかったのだが調べてみると結構評判がいい。直截にいうと、結構使えそうな感じ。
iPhoneで埋まっていた時間がUMPCで代えられるかもしれない。
iPhoneでだらっと消費していた時間をUMPCで動画を見たり、電子書籍を読んだりすることは十分できそう。そうしてまずはiPhoneに溶けていた時間をPCの時間に置き換えて、そしてPCでこういったブログとかもできるようになれたらもっといいに違いない。
スペックも一昔前からするとずいぶん向上していて、使う分には軽作業であれば十分に耐えられそうな感じ。実用性だったり、懸念がないわけではなかったが多少悩んだものの、結局ポチってしまっていた。
さっそく届いて驚いたのはこのコンパクトさ。発売直後からは時期を逸していたせいか名古屋では実機を触れる店舗は見つけられず、外観を映像で確認するしかなかったが、手触りや質感はかなりいい。M1 MacbookAirはアルミ筐体なのでホームポジションに手を置くとひんやりしたり腕時計と筐体が触れてしまったりするのだが、GPD microPC2では樹脂筐体なのでひんやりしないし腕時計が触れることもない。ちょっとうれしい。あとはキーボードもクリック感がある小さなタイプなので一般的なホームポジションですらすら打鍵するといった感じではない。両手で持って親指で入力するスタイルと、外付けキーボードを使うスタイルを使い分けている。

そもそも、今回検討していたのはGPD Pocket4とGPD microPC2だ。まずはスペック。詳細は公式サイトを、ざっくりというとPocket4(AI 9 HX 370)がハイスペックでまあまあ万能。そこそこゲームもできる。microPC2(Core™ i3-N300)は最近のゲームは厳しいけど軽めの2Dゲームであったり軽作業であれば必要十分といった性能。自分が使う用途としてはゲームはそこまでやるつもりがないのでどちらでも大丈夫そう。
となるとやっぱり判断の軸になってくるのはサイズ感。microPC2の方が1周り小さい。公式サイトによると153mm × 113mm × 23.5mm。Pocket4が約206.8 × 144.5 × 22.2 mm。携帯性という観点ではmicroPC2に軍配があがる。作業性はPocket4の方がいいだろうが作業性を重視するのであればもうちょっと普通のノートPCとかを選ぶことだってできるわけなのでロマン重視でmicroPC2を選ぶことにしたのだ。

引用(https://gpd-direct.jp/blogs/news/gpd25m20news?srsltid=AfmBOopEfs_L4B11cK9j0VhqWHabBOwj7ITXTVQN8DCyD-Qhdo8Qqon0)
実際手にしてみるとかなり小さい。M1MacBookと並べるとこんな感じ

サイドに電源ボタンがあり、指紋認証を兼ねている。手持ちのときはいい感じだがクラムシェル運用をしていると指紋認証はちょっと持ち上げたりすることが必要。
▼運用スタイルその1 クラムシェル
購入してから6割くらいはクラムシェルで使用している。作業をするには7インチはやはり狭い。なので結局クラムシェルで使う形になる。クラムシェルにしていてよかったのは雑に繋いだときでもデスクで邪魔にならないこと。たまたま隣に置いてあったM1 MacbookAirと比べてもそのサイズ感は歴然だ。クラムシェルでもサイズ感が小さいと圧迫感がないのですっきりしたデスクになるのかもしれない。(すっきりしたデスクを目指すとは言っていない)
▼運用スタイルその2 手持ち
コンテンツ消費のときはこっち。リビングで家族と過ごしているときやどこかでだらっと過ごしたりするときに傍らに置いておくとふとした時にさっと触ることができて色々と捗る。iPadminiがコンテンツ消費特化のタブレットとするならmicroPC2はコンテンツ消費もしやすいPCだ。ただお世辞にも音質がいいとはいえないので動画の時はイヤホンとかがあった方がいいかも。
重量自体は約500gとiPadmini6(300g弱)よりまあまあ重いので使いどころとしては限定的。ただしパソコンなのでその使い勝手のよさもある。
あと思いがけずよかったのはこういったブログなどでさらっと書いた文章を推敲したりするのにこのコンパクトさがとても役に立つ。
キーボードはクリック感が強くて文章をガンガン入力する感じではないのだけれど、ちょっとした修正くらいなら対応できる。ゴリゴリと書いた文章を別のタイミングでさらっと確認して手直ししたりするのに手軽でとても便利。実際今回のブログも基本はクラムシェルで書いて筆が止まると手持ちスタイルで気が向いたときにちょこちょこと直している。
しばらく使っていて気になったこと
購入して2か月ほど経った現在、やっぱり画面は小さく感じる。漫画を読むならOK。ただ本格的に何かをするにはやっぱり小さい。クラムシェルを基本としつついざというときの外出手段兼コンテンツ消費もできると考えると使い方としては結構ニッチな分野になるしそういう商品だろう。結局手持ちのガジェットでコンテンツ消費をするにはiPadmini6が便利すぎるので使用する機会はどんどん減っている。
一方でクラムシェルとして設置しておいて、出かけるときにさっと持ち出せるのは確実な強みだ。そのコンパクトさでポーチに入ってしまうので何の気なしに持ち出すことができる。実際に持ち出したことはそう多くないのだが、持ち出すハードルは他のPCと比べてもかなり低いのでいつでも持ち運ぶという選択肢を持てているというのが嬉しいところ。
あとは出先で使用するときにどこまで使いやすさを向上させるかだ。スマートグラスで大型ディスプレイを表示させるのもいいしiPadmini6をサブディスプレイ化するというのも面白そう。運用をあれこれ想像しながら普段使いのPCとして使用している。
結論
PCとしてはスペックはそこまで高くない。活用できるシーンは限定的だが何よりそのコンパクトさが推せるポイント。手持ちで収まるサイズ感と実用性のバランスは時代の進化を感じた。
サイズ感とクリック感故にがしがし打鍵することはできないため、音声入力を活用するなり外付けキーボードを使うなりを検討したり、ディスプレイサイズを補うなり画面上で工夫するなり、個人個人で感じる不便さへ工夫が必要なのも面白いところだ。完全無欠のUMPCというわけでもないため、運用の手探り感を楽しめる人なら買って損はないだろう。