今回はロジクールのトラックボールM570についてのレビューをしたい。
人生初のトラックボール
ロジクールのM570を購入して10ヶ月経った。
人生で初めてのトラックボールだ。安心と信頼のロジクール製。
トラックボールとしてはど定番のモデル。現在は後継機種のM575が出ている。他にはロジクールでは上位機種のMX ERGOや毛色の違うTrackman Marbleなんかもある。
購入の経緯
トラックボールを購入した経緯なんだけれど、自宅用にマウス以外のポインティングデバイスが欲しいと思ったからだ。
マウスはロジクールのG300Sを使用していた。有線マウスだがゲーミングモデル、軽量で6つのボタンが搭載されていて様々な機能を割り当てることができる。ショートカットを割り当てて便利にブラウジングをすることができてお気に入りのマウスだった。
このマウスがチャタリングを起こしてしまったので代わりとなるマウスを色々と探していたのだが、そこで気になったのがトラックボールだった。
トラックボールはボールを転がすことを検知してポインティングするデバイスだ。昔のマウスも似たような機構で裏側にボールが仕込まれていて、子供の頃はマウスのボールを取り出して遊んでいた。なんなら取り出したボールでボウリングだとかいって遊んでいた。結構怒られた。
そんな昔から存在していた機構、デバイスだが通常のマウスのボールタイプは現在姿を消している一方で、このトラックボールというのは少数派ながら一定の層の支持を得ているのだ。
トラックボールが支持を得ている理由は色々あると思うが、僕が購入するにあたって期待していた点をまとめると
・マウスのように可動域が不要。設置場所が省スペース
・複数画面など、移動距離のコスト低下
この二つが購入に至った主な理由だ。
マウス用のスペースが不要
マウス用のスペースが不要となるのはかなり大きいんじゃないかと思った。マウスはコンパクトなものでも使用する際はマウス以上のエリアを必要とする。僕はデュアルモニターを使っているのでカーソルの移動距離もそれなりにあるため結構広いスペースが必要になる。
その点トラックボールは置いた位置から動かすことはない。設置場所が省スペースで済むし、デスクに一時的に資料を置いたりしたときにマウスのように操作性を損なうことがない。
複数画面の移動距離のコスト低下
トラックボールは移動が楽だ。ボールを勢いよく転がすことで移動するので慣性で一気に移動することができる。僕はデュアルディスプレイの環境にしているので移動距離も結構あって画面端から画面端への移動は大変だ。単純にディスプレイが2枚になればマウスのスペースは倍必要になってくる。その点トラックボールはその場でボールを勢いよく転がすだけだ。ディスプレイが大きかったり枚数が多いほどトラックボールのメリットは増すと考えた。
日和って親指トラックボールを選んだ
親指か、中指か
トラックボールには親指で操作するタイプと中指(人差し指)で操作するタイプに大別できる。一般的には親指型の方がマウスからの移行がしやすいと言われている。
親指タイプだとロジクールにM570やMX ERGOなどラインナップがある。中指タイプはロジクールだとTrackman Marbleなどがある。メーカーを変えればエレコムなんかにもあったりする。あとはKensingtonとか……
デスク周りの省スペース化もしたかったから接続はワイヤレスとしたい。今回は初めてのトラックボールということもあって大きな冒険は避けようと思いロジクールに絞った。壊れる時もあるけど基本頑丈、価格も手頃だしレビューも多いので。
ロジクールにメーカーを絞って、かつワイヤレスとなると現在のラインナップでは親指トラックボールとなる。まあ、親指の方が馴染みやすいというしそれで試してみよう、という気持ちで親指トラックボールM570を購入した。
M570を触った感想
M570が届いた。人生初めてのトラックボールだ。ちなみに中古。
トラックボールの製品の中では廉価モデルの位置付けになるので見た目の高級感はそれほどでもないがトラックボールでもロジクール感があるというのはやはりマウスに近しい形状をしているからだろうか。
サイズ感はそこまで手が大きくない自分の手にすっぽりと収まる程度。小さくはないが大きすぎるということはない。そして親指トラックボールのメリットであるマウスとほぼ同じ持ち方でポジションを取ることができる。単三電池1本で駆動する。レシーバーも収納できるので持ち運びでレシーバーを紛失するリスクも少ない。(多分持ち運ばないけど)
接続はロジクール独自のUnflying接続。ワイヤレス接続なのでデスク上がすっきりするのがとてもいい。一方でワイヤレス故のトラブルもあったのだが……
しばらくM570を使ってみて
M570が届いてからしばらく、僕はこのトラックボールを集中的に使用していた。最初は真新しいガジェットにワクワクしていたが使っているうちに気になることも出てきたので、いいところ、微妙なところ双方の感想を述べていきたい。
接続が急に悪くなる
使用していると急にカーソルが反応しなくなることがあった。原因を探したところ、USB3.0の機器を接続したときに調子が悪くなる。(ロジクールサポートページ参考)
これはUSB3.0のノイズに起因するトラブルらしく、トラックボールの問題ではなくロジクールのUnflyingを使用するデバイス全て(つまり全部)に対して発生しうる問題とのこと。
色々な対策がネット上に転がっているので自分の環境に合う対策を探せば問題ないが、トラブルが起きた時に原因を探すのも一苦労だ。ちなみに自分は使用しているデスクトップPCのUSBポートが前後にあったのでUnflyingレシーバーとUSB3.0機器の距離を離すことで最低限の動作は確保できた。
手軽さはマウス以上。精度は限界アリ
手軽さ、これはトラックボールの最大のメリットだと感じた。
M570は親指でボールを転がすことを想定したトラックボールだが僕は人差し指で使ったりすることも多い。この形状でどうやって人差し指で使うんだと思うかもしれないが、本当にだらけた姿勢で使用する時にちょうどいい感じなのだ。クリックは薬指とかでやってしまう。手の収まりもいいし人差し指での操作が意外と悪くない。
実際、ネットサーフィンとかの軽作業であればトラックボールはかなりいいアイテムだと思った。万能かと言われると、自分の器用さでは動画編集ソフトなどの細かい動作精度が要求されるシーンで思い通りに動かせないことが多くてストレスに感じてしまったのも事実だ。かなり人を選ぶデバイスだと思っていたがむしろネットサーフィンとかのライトユースの人の方が馴染みやすいんじゃないかと思う。ただこれはM570の話なので人差し指タイプやよりボールサイズの大きいものであれば感想は違うのかもしれない。個人的にはKensingtonが超気になる。
結論、M570は中途半端
10ヶ月ほどトラックボールを使用してきた感想として、M570は中途半端だった。ただしブラウジング用としては手軽なので手放さずにライトユース用として使っていくつもり。
次買うとしたら人差し指のフィーリングが意外とよかったので、人差し指のTrackman Marble、あるいは大玉のKensingtonのどれかを選ぶだろう。トラックボールにチャレンジするなら下手にマウスライクな見た目よりも全く違う形状の方が感覚的にもっと馴染めたかもしれない。
ともかく、自分には親指トラックボールをメインとして使えるほど器用ではないことがわかった……